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夕方の赤いポスト。
気持ちを伝えようと、手紙を出しに来る人をジッと待ってる。
夕陽がほんの少しあたって、赤いポストをより際立たせている。
子供の頃の夕方は、
トントントントンな包丁の音。
どこかの家の魚を焼く匂い。
勤め帰りの大人たちの疲れた顔。
カタカタ音を立てて揺れる木の電柱の裸電球の笠。
自転車でやってくる豆腐屋さんの「トーフー」のラッパ。
すぐ頭の上をグニャグニャに飛ぶコウモリ。
薄雲をきれいに染めた夕焼け。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」そのものだった。
きっとこの頃の大人たちは、
生きる事に一生懸命で、
「一生懸命生きていれば必ずいい事がある」と思っていただろう。
赤いポストはその頃の日々そのもので、
そんな時代も、もうはるか昔だ。