骨のある大人

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とある地方都市のド下町で生まれた。


長屋ばかりの路地と表通りは職人のお店がいっぱいの街。


そんな環境だったから、
鰹節を作る工程や日本刀の研ぎ方、樽の作り方なんてのは、
ガキンチョの頃に見て覚えた。アハハ


染物屋のオジサンなんか、ナスみたいな色の手で藍染めをやってたし、
魚屋のオバサンは、ウロコをいっぱいくっ付けたゴムの黒いエプロンをしてた。


職人は頑固で、自分の世界を持ってて、
誰が何と言おうと、自分の技に自信と責任を兼ね備えてた。


そんなこんなで育ったが、
そういう職人の大人を「カッコイイ!」と思ってた。


今思えば彼らは「骨のある大人」だからで、
ハロウィンで仮装して渋谷の街で群れる人たちと100倍違う。


自分にしかできない事。
いかにも美味しそうにご飯を食べる人とか、
スゴ技じゃなくても、ちょっとしたささいな小技でも、
自分にしかできない事。


そんな人が大好きだ。