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古いオリベッティーのタイプライター。
クレープ屋さんのカウンターに飾ってあった物だが、
オリベッティーには凄く想い入れがある。
自転車ロードの現役の頃、
「ツールドジャパン」というステージレースが始まった。
ステージレースってのは、
年間何レースかやり、その合計ポイントで順位を決めるのだが、
その第一回からずっと「オリベッティー」がメインスポンサーだった。
オリベッティー=タイプライターのイメージだったが、
すでにタイプライターはワープロの時代に変わりつつあって、
それでもスポンサーになってくれたオリベッティーには、
凄く感謝の気持ちがあった。
日本では、圧倒的にマイナースポーツの自転車競技。
特に僕がやってたロードレースは「競輪?」なんて思われる時代。
ヨーロッパをはじめ、世界中で圧倒的な人気だったが、
日本では、全くと言っていいほど知られてもいなかった。
オリベッティーは、ヨーロッパで長い間自転車競技を支え、
小さな町の子供たちのレースから、
ツールドフランスやジロデイタリアなど、トップ選手たちを支えてきた。
ヨーロッパには100年以上前から「メセナ」という考え方があって、
「企業は利益の1%を社会還元する」という文化が根付いてる。
オリベッティーはイタリアの会社だが、そんな企業ポリシーが活きてる会社だ。
その後没落し、今はテレコム傘下で主にシステムソリューション事業みたいだが、
日本企業のように、
「儲けは全て懐へ」で「社員にも還元しない」体質とは真逆だ。