大坂なおみに最大限の拍手

 

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義理の兄が亡くなった時、翌朝「長谷川」と名乗る男が訪ねてきた。

 

姉が出ると、

「この度はご愁傷さまでございます。お仏壇の長谷川です。」

と、数珠をした手で合掌していた。

 

「えっ!」と姉が驚いたのも当然で、

前夜帰宅後急に具合が悪くなり、救急車で病院に運ばれ、

30分ほどで心肺停止。

 

人工呼吸を医師たちが続けたが、蘇生できなかった。

 

僕が電話を貰ったのは、その直後で、姉の号泣しながらの電話だった。

 

すぐに東京西部の自宅から、千葉市の病院までタクシーを飛ばし、

ようやく着いたのが午前2時頃だった。

 

その翌朝、「長谷川」が葬儀の営業に来た訳で、

病院とグルになった営業だろう。

 

が、娘2人共々急な義兄の死に呆然としながらの早朝に、

葬儀の営業に来るその無神経さに、皆腹が立った。

 

事件事故で肉親を亡くした遺族に、

「今のお気持ちを聞かせて下さい」と群がるメディアを見るたび、

その無神経さに「何様のつもりだ!」と、怒りが湧きあがる。

 

さて、

大坂なおみ選手が記者会見を拒否したニュースを見て、

葬儀屋やメディアと同じ感覚の大会主催者に怒りを感じた。

 

試合後、コート上でインタビューに応じるだけで何が問題なのか?

勝っても負けても、アスリートを突き刺す集中インタビュー。

何度も同じ質問を繰り返し、一部を切り取って報道する姿勢。

 

アスリートとしての自身のメンタルを考えて、

試合後のインタビューを「拒否」せざるを得ないほどの現状。

 

五輪もそうだが、

「スポンサー料」はアスリート自身のメンタルを超えて、

全てに優先するのか?

 

アスリートとスポンサー、政治、メディア、ファン。

この関係に、インタビュー拒否という形で一石を投じた大坂なおみに、

僕は最大限の拍手を送りたい。