戦争のつくりかた


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「新・戦争のつくりかた」(マガジンハウス1000円+税)
WEBで全編無料で読めます。以下抜粋


わたしたちの国は、70年ちかくまえに、
「戦争をしない」と決めました。


でも国のしくみやきまりをすこしづつ変えていけば、
戦争しないときめた国も、戦争できる国になります。


わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、
武器を持って、よその国にでかけるようになります。


世界の平和を守るため、
戦争でこまっている人びとを助けるため、と言って。


せめられそうだと思ったら、先にこっちからせめる。
と言うようにもなります。


戦争のことは、
ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、
というきまりを作ります。


政府が、
戦争するとか、するかもしれない、と決めると、
テレビや新聞やラジオは、
政府が発表したとおりのことを言うようになります。


政府につごうのわるいことは言わない、
というきまりも作ります。


みんなで、ふだんから、
戦争のときのための練習をします。


なんかへんだな、と思っても、
「どうして?」と聞けません。


聞けるような感じじゃありません。


学校では
いい国民はなにをしなければならないか、
をおそわります。


どんな国やどんな人が悪者か、
もおそわります。


町のあちこちに、カメラがつけられます。
いい国民ではない人を見つけるために。


わたしたちも、おたがいを見張ります。
いい国民ではない人がまわりにいないかと。


だれかのことを、いい国民ではない人かも、と思ったら、
おまわりさんに知らせます。


おまわりさんは、
いい国民ではないかもしれない人を
つかまえます。


戦争には、たくさんお金がかかります。
そこで政府は、税金をふやしたり、
わたしたちのくらしのために、
使うはずのお金をへらしたり、
私たちからも借りたりして、
お金を集めます。


みかたの国が戦争するときには、
お金をあげたりもします。


憲法」は、
政府がやるべきことと、
やってはいけないことを
わたしたちが決めた、
国のおおもとのきまりです。


わたしたちの国の「憲法」は
「戦争しない」と決めています。


戦争したい人たちには、つごうのわるいきまりです。


そこで、「わたしたちの国は、戦争に参加できる」と、
憲法」を読みかえます。




さあ、これでわたしたちの国は、
戦争できる国になりました。


政府が戦争すると決めたら、
あなたは、国のために命を捨てることができます。


戦争で人を殺すこともできます。
おとうさんやおかあさんや、
学校の友達や先生や、近所の人たちが、
戦争のために死んでも、悲しむことはありません。


政府はほめてくれます。
国や「国際貢献」のために、いいことをしたのですから。


人の命が世界で一番たいせつだと、
いままでおそわってきたのは間違いになりました。


一番たいせつなのは、「国」になったのです。




もしあなたが、「そんなのはいやだ」と思ったら、
お願いがあります。


ここに書いてあることが
ひとつでもおこっていると気づいたら、
おとなたちに、
「たいへんだよ、なんとかしようよ」と
言ってください。




わたしたちは、未来をつくりだすことができます。


戦争をしない方法を、えらびとることも。